赤い龍、塗りの解説、PAINTERブラシ配布
- 2020.05.29
- お絵描き
- ClipStudioPaint, PAINTER, 素材, 講座

塗りのメイキングが、色分けしました、塗りました、終了、では不親切すぎると思ったので、塗りだけのメイキングを書きました。
基本的に行き当たりばったりに塗っているので(本当にブラシほぼ1本でゴリゴリと…)、塗り途中の記録などないので、こちらは再現データになるので、元の塗りと少し違ってしまいますが、塗りのやり方としては同じなので多めに見てください。
「赤い龍ザルク」の塗りのデータ
塗り完成版
人物の塗り完成版はこちらになります。
PAINTER 20/20の油彩カスタム筆ほぼ1本(目のハイライトだけ別ブラシ)で塗ったものになります。
これはテクスチャを適用しているのでアナログ感(?)が出ていますが、テクスチャを非表示にすると、純粋な塗りだけだとこんな感じです。
かなり単純な塗りなのはご理解いただけたかと思います。
この塗りに、
こんな感じのテクスチャ(全部表示してますが、5枚くらいのレイヤーに分かれています)が反映された結果、最初の図になっていたわけです。
この、テクスチャはCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で塗ったもので、
- デフォルト素材の「にじみスプレー」(エアブラシツール)
- 古い「パーティクルブラシ」(昔公式サイトで素材配布されていた)
- 自作の「銀飛沫テクスチャ」(CLIP STUDIO ASSETSで配布中。30cp。https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1774557 )
を使っています。「パーティクルブラシ」は砂目トーンのような粒子を散らすブラシなので、似たようなものを適当にCLIP STUDIO ASSETSからDLしてくれば良いと思います。「銀飛沫テクスチャ」も適当なテクスチャなら何でも良いと思います。
塗りの手順
以下、PAINTER 20/20での作業となります。
塗りに使っているのは、ほぼ1本のブラシです。油彩のカスタムブラシで、どうやって作ったのか覚えていませんが、これがとても塗りやすいブラシなので重宝しています。ブラシファイルを公開しますので、よければお使い下さい。
■基礎塗りブラシ(油彩)→ http://cat3lives.oops.jp/pict/cat3-kiso.brushvariant
※どうやって作ったか覚えていないので、質問はしないで下さい。筆圧で濃さが変わり、アクリルガッシュのような水彩っぽい塗りもできる反面、強く塗れば不透明度の高い塗りができて、色が良い感じに混ざります。再配布はしないで下さい。
色分け
線画を整えてテクスチャを塗ったものをpsd形式で保存して、PAINTERで開き、部位毎に色分けしていきます。今回の場合、下のような9部位にレイヤー分けしながら塗りました。
線が雑なので、手作業で外周を塗り、中を塗りつぶしツールで塗りつぶしています。
この作業も、塗りブラシと同じブラシで行っています。
塗り色を作る
各部分毎に塗った地塗りの色をミキサーに保存して、カラーハーモニーのパレットからそれぞれ明色と暗色を取ります。また、メインの光源の反対側の影を紫(または青)がかった影色で塗りたかったので、ミキサー上で地塗りの色に青を混ぜて影色を作っています。
このミキサー上の色、+ハーモニーパレットから取れる明色・暗色だけあれば塗りの色は十分です。
暗色を塗る
肌の部分で塗りを説明します。使うのは「基礎塗りブラシ(油彩)」一本です。
まずは暗色を影になる部分に塗っていきます。軽く強弱をつけながら塗っています。
また、額の一番明るい部分だけ、様子見のために明色を少し塗りました。
塗りレイヤーのレイヤーモードは全部「デフォルト」です。
明色を塗る
明るい部分に明色を塗りました。基礎塗りブラシで暗色と混ぜるように塗ったり、特に明るいところは筆圧を強くしてはっきりとした明色で塗っています。
濃い影を塗る
ここで完成時の様子を見ながら塗りたいので、テクスチャを表示しました。クリスタの「にじみスプレー」で適当に黒で塗ったレイヤーを「乗算」で不透明度を落として表示し、また「銀飛沫テクスチャ」を「オーバーレイ」で不透明度をかなり低くして表示して白っぽいテクスチャとしています。
この状態で、青味がかった濃い影を塗りました。肌はこれで完成です。
他の部分も同じように、暗色→明色→濃い影と塗っていきました。
ハイライト
各部分を塗った後、目や鼻筋、唇などにハイライトを入れました。
レイヤー構造の一番上にレイヤーを作り、「スクリーン」にして、光っているところを塗っていきます。色は完全な白ではなく、絵の色味に合わせてわずかに赤味がかった色を使いました。
目の光は好みの問題ですが、眼球の球面を意識して光を入れると良い気がします。また、まぶたと白目の境目にも細くハイライトを入れると、リアルな瞳になります。
唇は、構造さえ把握していれば、男であっても割と強めに光らせても、赤く塗ってもおかしくならない部位です。
まとめ
こんな感じで全体を塗りました。
塗りについては試行錯誤、練習中なので、あくまで今回の絵の塗りについての解説ですが、とりあえず基礎塗りブラシでゴリゴリ塗ってれば良い感じになる。というのが結論なので、基礎塗りブラシ、お試し下さい。
あまり気を使わずにどんどん塗って、強弱が思い通りに出たり、色が重なると良い感じに混ざったり、アナログ画材のように「計算以上」の仕上がりになる経験は、色々なペイントソフトを試してみてもやはりPAINTERだけだったので、どうも塗りが思い通りにいかないという方は、PAINTERをお試ししてみる価値はあるかと思います。
役に立つ塗り解説になったかなあ…。
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