習作:召喚 クリスタでグラデーションマップだけで塗ってみる

習作:召喚 クリスタでグラデーションマップだけで塗ってみる

今回はクリスタ(CLIP STUDIO PAINT)絵です。グラデーションマップを利用したらどんな絵が描けるもんかやってみました。お世話になった素材は、以下のあたり。

個人的にクリスタは色の混ざりがPAINTERほどレイヤーを超えたりして混ざりまくる訳ではないので、色のニュアンスを変えながらの厚塗りはし辛い気がしてるのですが、今回はグラデーションマップを使用したからグレースケールの濃淡だけで描けたので、程よく塗り混ぜしやすく筆跡も残って良い感じのdp-厚塗平筆だけで塗れました。

でも、厚塗りっていうよりはクリスタは最近のアニメ絵含む、透明感の高い塗りが向いてるツールな気がする。という訳で、今回も、厚塗りを目指しつつ透明感の高い塗りになりました。

線画

習作:召喚 線画

まず線画。2013年の落書きを整えてペン入れしたものです。ペン入れはやはりクリスタが漫画製作用だけあって非常にしやすい。自分のカスタムGペンで強弱つけて角を尖らせながらレイヤー分けしてゴリゴリ描きます。修正したいところはレイヤーを足して描き直して、邪魔なところを同じレイヤーに白で修正し、レイヤーを結合してから「編集>輝度を透明度に変換」すると白い部分が消えて綺麗な線画が保てます。そんな感じで描きました。

色分け

習作:召喚 色分け

線が閉じてなくても大体閉じてればクリスタさんは塗り分けてくれるので安心です。「他レイヤーを参照」塗り潰しで塗り分けました。色分けしたら、透明度のロックをかけてゴリゴリ塗っていくスタイル。

影つけ〜グラデーションマップで塗る

習作:召喚 グラデーションマップ塗り解説1

今回は変形グリザイユ的な手法というか、影を全体に塗ってみてから、それをパーツごとに選択範囲を取ってコピー結合し、それをグラデーションマップにかけるという方法で塗ってみました。

試しに肌の影を塗ってみたところ。光源がわかるようにエアブラシで大まかに塗ってますが、まだ本格的には手を入れてません。これでちょっとグラデーションマップ塗りを試してみます。雰囲気を掴むために影を青にして作業していますが、実際は黒で塗って、そのレイヤーに色調調整レイヤーをクリッピングして、グラデーションマップを適用しています。

習作:召喚 グラデーションマップ塗り解説2

クリッピングしているグラデーションマップのレイヤーを非表示にしてみたところ。肌を塗り分けたレイヤーで、「レイヤーから選択範囲>選択範囲の作成」をして影を塗ったレイヤーをコピペ。肌のレイヤーと結合させます。

習作:召喚 グラデーションマップ塗り解説3

こんな感じになりますが、色は最初の目安に置いただけなので無視してこのままグラデーションマップをかけます。paletoneグラデを使ってみました。

習作:召喚 グラデーションマップ塗り解説4

グラデーションマップをかけるとこんな感じ。影の色の青色とは後で混ぜていくので、今は同系色の陰影で構いません。こういう作業を各パーツでやっていきます。

全体の影

習作:召喚 全体の影付け

全体の影をちゃんと塗りました。この状態で、上の作業を繰り返して、各パーツの陰影を塗ります。

各パーツに陰影をつけた

習作:召喚 全体をグラデーションマップで塗ったところ

各パーツをグラデーションマップで塗り、目と唇を塗った状態です。ここから影を青い色に、全体を青みがかった色合いに統一していきました。…正直、割と困りました。

全体にグラデーションマップをかけて削ってみた

習作:召喚 グラデーションマップをかけて削ってみた図

ここで全体に青緑色のグラデーションマップをかけてみたけれども、正直どうしたらその色を生かせるか悩みました。カラーにしたら全体にかかってしまうし、オーバーレイだと色が少し緑寄りになるだけ。

なので、グラデーションマップをかけた状態を「表示レイヤーのコピーを結合」で1枚のレイヤーにし、色味を出したいところをレイヤーマスクをかけ透明色で塗って削っていきました。

削り終わり、背景つけた

習作:召喚 グラデーションマップを削り終わった図

もっとゴリゴリとグラデーションマップを削って、元のカラーのレイヤーもコピー結合で一枚作って重ねて透明度を下げて重ねたり削ったりしました。

こんなもんかな、という色合いになったので、背景に薄らテクスチャを貼って縁取りしました。

カードの光を描き入れる

習作:召喚 カードのエフェクトを描き入れた図

カードが光ってるエフェクトをスクリーンで描き入れ、オーバーレイでカードの光が当たる所とカードの裏にできた影を塗りました。

背景もテクスチャ感をもうちょっと強くして、全体を整えたので、後はiPadの写真加工アプリで仕上げをします。本来ならPhotoshopを使う所なのでしょうが、今はまだブランク復帰後の練習中なので、iPadアプリ様で十分です。iPhoneでもできます。

iPadで仕上げ

iPadは「Snapseed」を良く使います。Google製の写真加工アプリだけあって非常に優秀です。これの良いところは、色々なフィルターやブラーなどが使える上に「二重露光」と言ってレイヤーを2枚重ねた様に画像を重ねられます。色味の違う同一画像を重ねて調整することが多いので、iPadに上の塗り終わり画像と、暗い画像(ここでは群青色のグラデーションマップをかけて書き出した画像)をiPadに送っておきます。

習作:召喚 仕上げ加工のために加工した一枚

「Snapseed」で青みがかったフィルターをかけ、全体にグラマーグローというぼかし効果を適用して、二重露光で重ねる画像を作成しました。これだけではつるりとして好みでないので、加工前画像に色味を加える程度に薄らかけてみます。

習作:召喚 完成図

上の画像を二重露光「暗い」の重ね方で薄らとかけ、全体のストラクチャを上げ(細部がはっきりします)、シャープをかけて完成です。

筆跡が割と残りましたが、やっぱり厚塗りに近づきません。一番悪いのは線画を消さないからだと分かってるんですが、強弱のついたごっつい線画が好きなので、線画が活かせる塗りにできたらなあ…と模索中です。塗りとしては厚塗りや油彩画の感じが好きなのですが。

という訳で、グラデーションマップで簡単に塗る習作でした。